「ミスト」を見たんだ。
原作スティーブンキング×監督脚本フランクダラボンの黄金コンビの異色作。
ラストシーンのモヤモヤ全米第1位!
すっきりしない映画第1位!
バッドエンディング過ぎる映画第1位!
もう分かりきっているけど人間のほうが怖いと思い知る映画第1位!
※ランキングは全部適当です
粗い筋書き
アメリカの田舎町をある日霧が覆い隠してしまう。
霧の中に何かがいて、何かが起こっているがそれが分からない。
パニックになりながらもスーパーに逃げ込んだ何十人の人たち、霧の中にいる何か対応しようと人々は話し合うが、意見があわず対立していく。
夜が来て霧の中の何かが現れるとき、本当の恐怖が始まる。
好きなキャラクター
いません。うん、誰も彼も好きになろうとすら思えない。
なんでだろう。
子供は可愛いです。狂信者はむかつきますし、お父さんは熱く行動しています。
でも、好きなキャラクターは誰もいません。
この映画には一応主人公となる親子がいるのですが、本当の主人公は群集であり親子もその一部だからなのか、私はこの映画で好きなキャラを見つけることはありませんでした。
好きなシーン
この映画は印象的なシーンが沢山あるのですが、その中でも大きく胸に響いたシーンは二つあります。
シャッターを空けようとする従業員
このシーンで印象的なのは、二人の意味のない行動です。
シャッターを直すことに意味はありません。しかし、二人の従業員はパニックに陥った状態の中で自分の役割(出来ること)が見つからない。
なので、自分が出来ることをやるのです。その行動の意味はなくても自分の中の自尊心のために行動し命を落とします。
カルトの教祖とかした女が撃ち殺されるシーン
このシーンはこの映画の核となるシーンであり、まさに見ている観客の僕達の心の中にさえ霧がかかるシーン。
スーパーの中でパニックが何日も続いていく中、最初は相手にもされていなかった狂信者の女が祭り上げられ救世主のように崇められていきます。
そして、彼女の言葉に従い人を殺しだすまで状況が悪化したとき、一発の銃声が響き彼女の胸に銃弾が突き刺さる。
そしてもう一発、彼女の額を銃弾が打ち抜く
この二発目の銃弾の存在が一番大事だと思います。
私はこの映画を見ながら、このシーンで良くやった!と興奮しました。
そんな女は撃ち殺されればいいとも思ってました。
しかし、蛇足だった二発目の存在により、冷静になる自分がいました。
まてよ、私もこの状態で冷静な判断が出来なくなっているのではないか。
彼女は一発目でたぶん死んでいただろう。
余計な二発目は、私の中の狂気を見つけさす銃弾だったのです。
最後に
パニック映画のほとんどに見られるテーマで、パニックに陥ったときが人と人とのつながりに起こる問題などが浮かび上がってきて、ありありとしたリアルが見えてくるというお話なんですが。
この映画のラストシーンは、思わず嘘だろと絶句してしまいます。
かなりの悲劇なんですが、それも止めることが出来た悲劇なので嘆いている父親の姿を見ながらエンディングを迎えたとき、凄いものを見たという感覚に襲われます。
このラストは原作になく、この映画を見た原作者キングはラストシーンを絶賛し、思いついていたら、小説のラストもこう書いていたと言うほどだったらしいです。