「レオン」を見たんだ。
リュック・ベッソン監督によるアクション映画。
コピーは「凶暴な純愛」らしい。
一説によると、フィフスエレメントをどうしても撮りたい監督が、資金集めのために脚本を書き上げて撮影したとのこと(噂)
粗い筋書き
イタリア系移民の殺し屋、観葉植物だけが生きがいの寂しい男。それがレオン
父と姉から虐待を受け、母は無関心。愛を知らない孤独な少女。それがマチルダ
そんな二人の関係はアパートのお隣さん。
ある日、マチルダの父親がドラッグを横領して、金をかすめ盗ろうとするが、それに気づいた麻薬密売人のボスであるスタンスフィールド(スタン)は、父親のアパートを訪ね、盗んだ麻薬はどこだと父親に詰め寄る。
しらねーよとしらを切る父親の言葉を聞いて、後日スタンは部下とともに彼の家族を皆殺しにする。
買い物に出ていたため、難の逃れたマチルダは孤独な隣人に助けを求める。
そこからレオンとマチルダの奇妙な共同生活が始まる
好きなキャラクター
これは間違いなくスタンフィールド。通称スタン
誰かって、麻薬捜査官であり麻薬密売人であり麻薬常習者なゲスな男。
マチルダ家族を鼻歌交じりに皆殺しにし、あまりの暴れっぷりに部下に止められるいかれっぷり。
しかし、頭は冷静であり、マチルダの尾行にすぐに気づいたり、混乱時に変装して逃亡しようとしたレオンを見抜くなど頭が切れる。
演じているのはゲイリーオールドマン。
この頃の彼はこういう役ばかりだったような気がする。
オールドマンが演じているキャラクターで、この他にはオススメは「エアフォースワン」で演じているテロリストのボス。こいつも容赦なく躊躇もなく人質を殺す。
激高したかと思えば、子供に話すように落ち着いた口調で脅してくる。
いかれているが知的で冷静なキャラクターという悪役を演じさせたら天下一品。
交渉はしたくない相手だ。
好きなシーン
これは二つあります。
1つはこの映画が好きな人が、ほとんど好きだと思うシーンです。
家族皆殺し前のローカのワンカット悪役全員登場からスタン登場。
ワンカットで進んでいく映像に、麻薬組織のチンピラが一人ずつ登場していき、最後にボスであるスタンが登場する。
ポケットからピルケースを取り出し、シャカシャカと音を鳴らし、その音にうっとりする。
蓋を開けて、緑と黄色という明らかにビタミン剤ではないカプセルを取り出し口に入れる。
興奮を抑えきれないスタンは身震いし、カリカリとカプセルを噛み砕く。
瞳孔は開き、薬物が脳内を駆け巡るのが分かる。
この予告編にも使われたワンシーンは、この映画が象徴であり、このシーンの良さがこの映画の良さである。
もう1つ好きなシーンは割りと地味なシーンです。
アパートの外で、階段に腰掛けているマチルダに近所の悪がき達が近寄って、
「おい、そこに座るなら駐車代を払いな」
と詰め寄ってくるシーン。どう考えても小学生ぐらいの悪がき相手を覚めた目で一瞥し、
「いくら払えばいいの?」
とどうでもよさそうなマチルダ。100ドルを渡して、
「一年分前払いよ、どっか行って」
と住む世界が違うことを言い放つマチルダと100ドル札を見たことがないのか、驚きと畏怖を隠せない悪がき達。
この二つのシーンが好きです。
最後に
映画のラストから言ってしまえば、レオンはスタンを道連れにし爆死します。そしてマチルダは学校へ行って平穏を取り戻します。
あの時、助けを求めるマチルダをほっておけば、レオンは死ぬことはなかったと思いますが、
レオンの生活に変化もなかったことでしょう。
結果だけを見れば悲劇ですが、経過を見ればレオンは幸せだったのではないでしょうか。