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高知の田舎者がマイルを貯めて海外旅行 駄文だらけ

高知生まれ、高知育ち。 高知から三日以上離れたことがない田舎者。 高知をフラフラしてる毎日。映画、漫画、小説、カフェ、フットサル好き。 陸マイラー。コツコツとマイルを貯めて旅行中。神戸香川岡山名古屋大阪東京京都グアム香港マカオ台湾。

「セッション」を見たんだ

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「セッション」を見たんだ

「セッション」を見たんだ

監督・脚本はデミアン・チャゼル

これ以上減らしようのないキャストと、シンプルなストーリー。
舞台も狭く、閉塞感のあるスタジオと練習部屋がほとんど。
ラスト9分19秒、映画史が塗り換わるのを目撃する。

粗い筋書き
19歳のアンドリューはバディリッチにあこがれ、彼のような偉大なドラマーになりたいと
最高の音楽学校、シェイファー音楽学校へと進学していた。
ある日、学内最高指揮者であるフレッチャーが彼のいる初等教室に現れる。
フレッチャーの目に留まり彼の楽団の練習に参加するようになったアンドリューだが、そこで待っていたのは限度を超えている彼の教育方法だった。
完璧さを求める彼はリズムが遅いと罵倒し、パイプ椅子を放り投げつける。さらに頬をたたき、アンドリューを罵倒する。アンドリューは悔し涙を流すしかなかった。
見返そうとするアンドリューだが、楽譜めくりしか任されない。そんなある日、楽譜をなくし事をきっかけに、暗譜していなかったドラマーの代わりに、記憶を便りに自分が「Whiplash」を演奏することとなる。
こうして彼は正ドラマーに昇格するのだが、彼の地獄の日々はまだ始まったばかりだった。


好きなキャラクター
テレンス・フレッチャーとアンドリュー・ニーマン
この二人の狂気ともいえる音楽への情熱。その全てがこの映画におけるエネルギーである。
ドラマーとしての才能が上達するたびに、その他の全てをそぎ落としていき、アンドリューが凶暴化していく姿が美しい。

好きなシーン
ラスト9分19秒
このラストシーンの気持ちよさは、「ショーシャンクの空に」以来。
あちらは牢獄だが、こちらもスタジオと言う名の牢獄。
その中でアンドリューは鬼教授フレッチャーにボコボコにやられる。
時には真綿で閉められるように、時には拳で殴られるように、時には水攻めされるように、追い詰められていきます。
そこからの逆転劇。
今までドラムという盾しかなかったのに、その盾で殴り返す! 
恥をかかされた恨みで、舞台というリングにあげて、音楽業界から消し去ろうとしたのが仇となり、そこから見事な逆転劇です。 

あまりに美しいラストシーンなので、完全ネタばれになりますが、全部書きます。
ラストシーンの流れ

教授の指導と少しの不運により、正奏者の立場から、と言うかドラムの演奏者の立場から退けられたアンドリュー。
アンドリューの密告(体罰など)により、教授の立場を追われたフレッチャー。(フレッチャーはアンドリューが証言だとは知らない)

偶然再会した二人。フレッチャーは偉大なミュージシャンを育てることについて話し出す。
かつて、ヘマをやらかしたチャーリー・パーカーに、ジョー・ジョーンズはシンバルを投げつけた。その行動がチャーリーパーカーに火をつけ彼を偉大な音楽家にしたんだ。
私のやり方は間違っていない。第2のチャーリーパーカーが現れたとき、その才能をつぶしてはいけないんだと
別れ際、教授がアンドリューを呼び止める
一緒にフェスティバルに出よう。君の演奏が必要だ。昔やったあの曲を演奏するんだ。頼むよ。
アンドリューは承諾し、過去を忘れ、演奏者と指揮者として、輝かしい舞台に上がる。。。。
アンドリューは思う、スカウトが沢山見ているこの舞台から輝かしい未来が始まるかもしれないと、ドラムをセッティングしている彼の前にフレッチャーが現れる。

険しい顔をしたフレッチャーが言う
「密告者はお前だな」
戸惑うアンドリューを無視し、フレッチャーが観客に言う。
「新曲やります」
幕は上がり、すでに舞台の上、ほかの演奏者が見たことない楽譜を取り出し、演奏の準備をする。
演奏が始まり、何もできないアンドリュー。音を合わせていっても、外れてしまい、
隣のベースから「何してんだ、お前」
と怪訝な目で見られる。
そして、一曲目が終わり、突きつけられる観客とスカウトの目。
なんであんなやつが舞台にいるんだ?
あれならいない方がましだ。
それも分からないのか?
だれだ、あいつは?、とにかく駄目な奴だ。

それは音楽業界からアンドリューを消し去ろうとするフレッチャーの罠だったのだ。
自分の舞台を汚してでも、アンドリューを抹殺しようとする狂気のフレッチャー。

茫然自失のアンドリューは立ち上がり、舞台袖へ引っ込んでいく。
迎えてくれるのは泣きそうな顔の父親「お前はよくやった」とアンドリューを抱きしめる。

しかし、アンドリューは、家に帰ろうと言う父親に背を向けて舞台へ戻っていく。
席に座るアンドリューを見て、フレッチャーは眉をひそめるものの、新曲を演奏しようと
「続けては、スローな曲を……」

教授の言葉をかき消すアンドリューのドラム演奏開始!
アンドリューの復讐が始まる。
ドラムを叩きながら、ベースに言う「合図する。キャラバンだ」

ドラムはもう一人あの指揮者であり、フレッチャーを無視し曲を指揮しだす。
ほかの演奏者も演奏しだし、戸惑い顔のフレッチャーだが、演奏を聴いていくうちに、
これは凄いものになると理解し、指揮を始める。
そして、テンションが上がりきって曲のラストをフレッチャーが指揮するが、
アンドリューは止まらない。
お前が考える境地はそこか!
俺は違う俺はもっと上を見ている!
とアンドリューはドラムを叩き続ける。
戸惑うフレッチャーに「合図する」と一言いい、テンポを上げてソロを続ける!
そこからは感情や音や時間の流れさえ消え、フレッチャーの追い求めていた境地に達する。
シンバルがずれ落ちるが、フレッチャーがすぐに直す。
補助のようにアンドリューを支えるフレッチャー。

ソロのラスト、フレッチャーとアンドリューの目が合うと、わずかに微笑むフレッチャー。
それを見て、笑みがこぼれるアンドリュー。
そして、曲は真のラストを迎え、映画もエンドロールへ。


最後に
ラストシーンにフレッチャーが、微笑むこのシーンこそ、この映画の一番大事なシーン。
あの鬼教授が敗北を認めた。アンドリューの演奏が素晴らしすぎて、
アンドリューへ向けている憎悪など、演奏で地平線の彼方へ吹き飛んでしまった。
完敗宣言の笑みなんです。

ほんと、この映画は大逆転映画なのです。

凄い映画、なんでこの映画を映画館で見なかったんだ。後悔。
だって高知県では上映してないんだもん。
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プロフィール

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ケンヂ
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性別:
男性
職業:
会社員
趣味:
フットサル美術館小説映画漫画カメラ
自己紹介:
30歳をこえて陸マイラーデビュー。
憧れはバックパッカー。
好きな番組「旅猿」「内村さまぁーず」「クレイジージャーニー」「水曜日のダウンタウン」
憧れの地「シチリア」「キューバ」
好きな国内旅行地「京都」
好きな高知観光地「にこ淵」

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